2008年3月31日刊行
A5判316頁
内容紹介
今日、高等教育は様々な問題に直面し、従来とは異なる困難な状況に置かれている。例えば日本においては、大学全入時代を迎えての入学生の定員割れ、大学院修了後のオーバードクターの問題などを、すぐに想起される具体的な例として挙げることができよう。高等教育が大きな変容期にあるというのは日本に限られたことではなく、各国それぞれの置かれている状況に応じて具体的な問題の事例の現われ方は異なるにしても、他の多くの国々においてもまた見出されることである。そうした普遍的な困難さの基本的な枠組みは、「大衆化」と「卓越化」という、ある意味で二律背反的な課題に、同時に対処することが求められるというところに見出すことができる。こうした状況の中、「事前統制から事後評価へ」という言葉に象徴的に示されるような自由化を推進する方向性が政策として進められ、各国、また各大学は、競争的な環境にますます置かれつつある。
目 次
特集:高等教育改革の諸問題
特集紹介(白鳥 義彦)
フランスの大学とボローニャの挑戦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Chaerle Christophe,白鳥 義彦(訳)
一元化がイギリス高等教育に与えた影響・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・秦 由美子
グローバル化と日本の高等教育 : 国内的ロジックと国際的ロジックの調整をいかに進めるか・・・・・・・・・・・・・・米澤 彰純
フランスの高等教育をめぐる新たな動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・白鳥 義彦
「女らしさ」の文化への束の間の挑戦 : 日本人女性のライフコースにおける「開かれた窓」としてのガングロ・スタイル・ 澄田 明子
開港期における釜山の近代医療施設 : 済生医院を中心として・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 金 貞蘭
社会学同窓(三十一回生)——思い出・近況
ソシエテ
教員が学校の境界を越えて活動することについて(大木 誠一)
失われた里山(一井 智之)
ニュータイプうつ病の落ちこぼれサラリーマン(小林 一美)
2006年度社会調査演習報告
〈研究室便り〉
〈編集後記〉
〈審査要項〉
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