特集「フクシマとともに三年」を含む、トゥールーズ大学の出版局が刊行する現代史の学術雑誌。本特集は、「フクシマ後après」ではなく「フクシマとともにavec」経った三年という視点を基調として、2014年3月11日に同大学で開催された、日本の原子力の問題をテーマとするシンポジウムの諸報告とともに、白鳥が同年2月に同大学招聘教員として行った講義・講演「フクシマ後の日本における原子力の問題」に関する論考から成っている。(白鳥義彦)
(Presses universitaires du Midi, 323ページ, 2015年10月刊行)
パリの高等師範学校で開催された科研による国際シンポジウムを含む、「大学の規制緩和:世界における高等教育「市場」の国家管理下の構築」を主題とする編著書。国際比較の視点から、フランス、日本、合衆国、スイス、ケベック、スウェーデン、西アフリカ、マグレブ、チリ等、多くの国の事例が取り上げられ、近年の新自由主義的な大学改革を批判的に検討している。白鳥は、日本における高等教育改革と大学のヒエラルキー化の拡大について寄稿した。(白鳥義彦)
(Éditions Syllepse (Paris) et M Éditeur (Québec), 352ページ, 2015年9月刊行)
社会学研究室の教員および大学院出身者による、社会学を専門としない初学者を念頭に置いた教科書。相互行為、時間、ボランティア、紛争・物語・記憶、ファッション、生きづらさ、ジェンダーとセクシュアリティ、医療、サブカルチャー、観光、消費、移民、国際結婚と地域社会、組織、労働といった身近なテーマを入り口に、基礎的な概説、ケーススタディ、アクティブラーニングのスリーステップで各章学べる。読み物としても面白いです。
(昭和堂、2,300 円+税、2020 年 8 月刊行)
私の前任者である大野道邦先生が中心となって 2000 年に立ち上げられたデュルケーム/デュルケーム学派研究会の 20 年間の活動ならびに同研究会を母体とする科研費の成果として刊行された、命題を出発点に社会学を学ぶガイドブック。デュルケームの命題のみならずデュルケーム学派の人々、同時代の思想家や批判者、継承者、さらには現代の社会学者への影響まで、7 部 43 章で立体的な案内がなされている。大野先生の遺稿も収載されている。
(学文社、2,500 円+税、2021 年 1 月刊行)
『リーディングス アジアの家族と親密圏』(全3巻)は、「アジアを知れば日本がわかる!」を合い言葉に、アジア9社会から貴重な論文を精選し、アジアの内側からのパースペクティブを知るために編まれたシリーズである。各巻には筆頭編者による詳しい序論があり、アジアにおける家族を多層的に俯瞰できる。もともと英語圏の読者を想定していない各社会固有の課題に挑戦した論文、しかし、それぞれの社会で有名で影響力のある論文を厳選した。これらを読むことで、自己オリエンタリズムに陥ることなく、日本研究、アジア研究、比較研究を展開する新たな基盤が形成されることを目指す。
それぞれ20本をこえる論文が掲載された500頁の3巻本。一見、大部であるが、どこから読んでも面白く、読むほどに読みたくなる珠玉の論文集。各社会の専門家でなくても読めるように訳注も充実。まずは興味のあるところから読み進めてほしい。読破した暁には「新しいアジア像・新しい日本像」が立ち現れること間違いなし!(平井晶子)
(有斐閣, A5, 6300円+税, 2022年3月刊行, 第1巻456ページ, 第2巻504ページ, 第3巻478ページ)
日本中世から現代までの家の後継者育成の実情を学際的に論じたはじめての論文集。編者の鈴木理恵の強いリーダーシップのもと、歴史学、教育史、社会学、文学など、さまざまな背景をもつ人々が「家の後継者育成」という一点で集まり、3年間の議論を重ねた成果が本書である。「わかったつもり」の家に新たな視角から切り込む一冊である。平井は第3章「近世村落における後継者育成の前提条件―歴史人口学の視点から」を執筆している。(平井晶子)
(吉川弘文館, A5・320ページ, 7000円+税, 2020年2月刊行)
東アジアで急増する国際結婚。結婚を機に海外移住する女性たちの存在は、送り出し/受け入れ社会双方で顕著な社会現象となっている。本書は6カ国・地域で行った調査をもとに、その実態を克明に描き出す。社会学研究室からは、藤井・平井が編著として中心的な役割を果たすとともに、白鳥・佐々木ならびに研究室出身者・院生が多数寄稿している。
(昭和堂, 368ページ, 5800円+税, 2019年3月刊行)
第9章近世村落の家と村を執筆。
本書は社会科学系の学生にむけた教養書として、また、日本史と法学をつなぐ基礎的文献として編まれた1冊です。広義の法から日本の通史を見渡せるものになっているので、日本史に興味のある方もぜひお手にとって見てください。
(弘文堂, A5・528ページ, 3500円+税, 2018年3月刊行)
未婚、晩婚、離婚、再婚、国際結婚、同性婚――。ひとはどんな出会いを経て、誰と結びつくのか。現代および歴史的な日本の状況と、世界の事情から、結婚の意味を再考する。
(日本経済評論社, A5・368ページ, 5200円+税, 2017年12月刊行)
過去1000年の日本の家族の歴史と特質を、国際比較の視点を交えて描き出す。家族の変化を論じるためには、過去の家族について知らねばならない。平井は第4章を担当している。
(日本経済評論社, A5・384ページ, 5200円+税, 2016年9月刊行)
歴史人口学が日本に定着してから半世紀。徳川時代に存在していた個性豊かな地域性と家族を多角的に描き出した実証研究の新展開。平井は第1部第1章、第4部14章を担当、第4部16章を共著で担当している。
(ミネルヴァ書房, A5・546ページ, 8000円+税, 2015年7月刊行)
Japanizing Japanese Families: Regional Diversity and the Emergence of a National Family Model Through the Eyes of Historical Demography (Emiko Ochiai, Shoko Hirai eds.)
日本社会の基盤にある家族の歴史人口学的研究を、海外の読者に届けるため英語で編集しました。日本家族の地域性と時代の変容に注目した画期的な1冊です。皆さんのイメージする伝統家族像を刷新すること間違いなし!
(Brill Academic Pub, A5・468ページ, 31958円+税, 2022年7月刊行)
自分の中の「なんで?」から始めて、その問いに潜む社会の特性を考えるための1冊です。個人的なことが社会的なことにつながる、その面白みを味わいながら、歴史や比較といった社会学の射程の広さ、アプローチの多様性を体感できるユニークな社会学入門!です。
(有斐閣, A5・330ページ, 3600円+税, 2023年3月刊行)
平井晶子「死が身近な社会の中の家族―歴史人口学的アプローチ」(pp.14-28)
本書は、比較家族史学会のシリーズ「<家族>のかたちを考える」の第2弾です。コロナ禍を経験した私たちが、「家族が病いにいかに対峙してきたのか」をあらためて問うた一冊です。本学会の特徴を活かし、歴史と比較の視点から、病いと家族の関係を多面的に問うた貴重な本となりました。ぜひお手にとってみてください!平井は歴史人口学的アプローチを用いて、死が身近な近世庶民の家族の実像に迫りました。
法律文化社、2024年、全250頁)A5版(5400円+税)
歴史的・文化的に極めて豊かで複雑な背景を持つ中米・ニカラグア。その魅力を多様な観点から描き出した野心的な一冊。「もう一つのニカラグア:大西洋岸とのかかわり」「狂った小さな軍隊:サンディーノと民族主権防衛軍」「保守主義の時代と自由主義革命:『保守党の30年間』とその帰結」「サンディニスタ革命期の文化政策:『あたらしい人間』のための文化」「先住民という『他者』:混血のニカラグア神話」の計5章を執筆した。(佐々木祐)
(明石書店, 四六判・312ページ, 2000円+税, 2016年6月刊行)
コンフリクトやカオス、不確定性や不条理がもはや「常態」となりつつある現代、新たな共同性とその創発的な能力の発現がこれまで以上に求められている。「集合的創造性」という概念を一つの軸として、多様な観点・フィールドから考察がなされている。佐々木(一番最後に入稿)は中米移民の移動実践を題材に、そこに現れつつある「まだ見ぬ<われわれ>」の力動とその作用について論じた。(佐々木祐)
(世界思想社, 四六判・286ページ, 2800円+税, 2021年2月刊行)
今日の社会において生きるわれわれが、実践を通じていかに日常世界を再-構築し、またそれをいかに変革しているのか。都市/抵抗/共同性をそれぞれの切り口に、松田素二のもとで学んだ(り学んだりしなかった)論者が考察を行う。佐々木(学ばなかった方)は、80年代・ニカラグア革命における詩作運動の誕生と圧殺の過程について論じ、そこに今日的な「抵抗」の可能性を探った。(佐々木祐)
(山代印刷株式会社出版部, A5・372ページ 2700円+税, 2021年3月刊行)
「ジェンダーは希望である。なぜならジェンダーは男らしさや女らしさが変革可能な属性であることを力強く指し示しているからだ」。にも関わらず/だからこそ、行為遂行的に行使される多様なジェンダー暴力について、人類学的なフィールドワークを元に議論が行われる。佐々木(半分人類学)は、メキシコにおける中米移民女性たちの移動過程に深く刻み込まれた暴力と生き延びの諸局面を描写した。(佐々木祐)
(昭和堂, A5・448ページ 6300円+税, 2021年3月刊行)
本書はニクラス・ルーマンによる社会システム理論と組織研究の集大成として、晩年まで執筆が続けられ没後に刊行された。ルーマンはそこで組織を包括的にかつ組織が社会のなかでもつ独特の意義を捉えるために、意思決定が意思決定へと接続するオートポイエティック・システムとして描き出す。梅村は第 5 章「時間関係」、第 6 章「不確実性吸収」、第 7 章「意思決定前提」(以上上巻)、第 11 章「構造変動:改革のポエジーと進化のリアリティ」(以上下巻)の翻訳を担当した。
(坂井晃介、梅村麦生、小山裕、井口暁、赤堀三郎、樋口あゆみ訳、勁草書房、各 7,000円+税、2026 年 2 月刊行)
人口減少が進む一方で外国人住民が増加の一途を辿る日本の地方部において、より望ましい形での外国人の受け入れと共生のための「新たなしくみづ」を構想するため、日本各地での様々なアクターによる取り組みと、諸外国の事例を踏まえて、多文化共生のための「標準装備」について考える一冊。梅村は第 7 章「地方部の製造業と外国人労働者」(大久保元正との共著)、第 18 章「ドイツの「移民政策」」を担当した。
(晃洋書房、2,800 円+税、2023 年 10 月刊行)
宗教的なものと世俗的なものの再編の諸相を描くシリーズ「西洋における宗教と世俗の変容」第2巻。第二次世界大戦後のヨーロッパの高度経済成長を支えてきたムスリム移民。各国ごとに異なった彼らに対する包摂と排除の論理を比較の視座から読み解き、そこで経験されているムスリムとの共存をめぐる多様なリアリティに迫る。山下は、総論および第2章を担当している。
(勁草書房, A5・336ページ 4000円+税, 2024年3月刊行)
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