『社会学雑誌』31~40号刊


『社会学雑誌』第31・32号

2016年10月31日刊行 

 A5判132頁 

 頒価2000円

内容紹介

 本合併号の特集は、「日仏高等教育改革比較」です。3名の先生方にご寄稿いただきました。いわゆる高度人材の育成に高等教育機関が寄与しているということは、時代や国境が異なっていても大きな変わりはありませんが、各国の国情に応じて、それぞれの教育政策・方針は多様な様相を示しています。今回の特集は、日本とフランスの高等教育改革に注目したものであり、19世紀のフランスと1960年代の日本の事例は、グローバル化が加速する現在の高等教育の実態と変容を理解する上でも非常に参考になると思います。

目次

特集 日仏高等教育改革比較

  • 特集紹介―日仏高等教育改革比較(白鳥 義彦)
  • 一九世紀フランスの学部(ファキュルテ)における職業教育と学生―学位、資格、学生の管理(上垣 豊)
  • 一九六〇年代の大学改革における「中教審路線」の社会的位置―新構想大学創設に向けた政策形成に着目して(大前 敦巳)
  • フランス高等教育改革の評価と展開(白鳥 義彦)

投稿論文

  • ニクラス・ルーマンのシュッツ論―社会学的な「意味」の問題への取り組みに即して(梅村 麦生)
  • クリエイティブ・クラスがもたらす社会変容に関する研究―トロント都市圏を事例に(大川内 晋)
  • 「オタク論」と系譜学(王 屴瀟)

北原淳先生を偲ぶ

  • 追悼 : 北原淳先生(藤井 勝)
  • 北原淳先生の経歴と業績
  • 北原先生の思い出(高井 康弘)
  • ひたむきに(岸裏 雅子)
  • 北原先生を偲んで(小林 和美)

ソシエテ

  • 歳を重ねるということ(木村 和美)
  • 私の歩む道(田岡 彩希)

〈学位論文題目〉

〈研究室便り〉

〈編集後記〉

〈審査要項〉 

『社会学雑誌』第33号

2017年8月31日刊行 

 A5判225頁 

 頒価2000円

内容紹介

 近年の社会学においてはその存立意義や方法についての再検討と再措定の動きがあるようにも思える。例えば、「語り」や「出来事」をめぐる問題系については、社会学の外部にも開かれた形で論じられる場が増えてきている。また個人の経験と勘にたよる部分が少なくなかった質的調査についても、相当数の解説書や教科書が出版され、またそれに関する議論も活発になっている。この状況をふまえ、本号の特集「変容する『フィールド』から」では、社会学およびその隣接分野における諸研究をとりあげる。人々の具体的な営みや歴史過程という「フィールド」に対し、どのようなアプローチが可能なのか。また、そうした取り組みからどのような知見が開かれるのか。最初の問いに対する直接的な応答ではなく、また新たな問いと発見へと人を誘うという、まさに社会学的な作業の一環として、今号の論考はある。

目次

特集:変容する「フィールド」から

  • 特集紹介 変容する「フィールド」から(佐々木 祐)
  • 再読 費孝通著"Peasant Life in China" (1939)―マリノフスキー野外調査法からの考察(佐々木 衞)
  • 統計地図と民俗調査からみた西南日本型結婚パターンの持続性(中島 満大)
  • 境界への囲い込みに抗う移動実践とその合流―南米ペルー・ティティカカ国立保護区における先住民ロス・ウロスの自然資源利用に注目して(村川 淳)
  • 移動する身体―メキシコにおける中米移民の現状から(佐々木 祐)

投稿論文

  • 東アジア地方社会における国際結婚の現状―日韓台質問紙調査からみた再生産領域の変容(連 興檳)
  • 大学生が語る家族の規範意識―若者の人生設計を事例に(ボヤナ・ヤマモト=パヴラシェヴィッチ)
  • 初期パーソンズ社会学の社会学史的な再解釈―比較文明学・トッド人類学を志向して(小川 晃生)
  • 〈アイデンティティ〉の現在―自己物語論の視点を中心に(津田 翔太郎)
  • 中国の住宅取得における性別役割分業と世代間関係に対する一考察(万 鍇)
  • 想像の共同体の現実化の場所としての夜市―社会的余暇活動による経験の共有に注目して(藤岡 達磨)
  • 現代都市における人間関係の可能性を考え直す―アイデンティティと欲望の視点から(王 屴瀟)

ソシエテ

  • 〈没入〉の困難さについて(津田 翔太郎)
  • 「わかりあえない」ということ(森永 由季)

〈学位論文題目〉

〈研究室便り〉

〈編集後記〉

〈審査要項〉

『社会学雑誌』第34号

2018年7月31日刊行 

 A5判354頁 

 頒価2000円

内容紹介

 本号は、「東アジアにおける家族の伝統と現代―世代関係と子育てに着目して」と題された特集を組んでおり、それに即して5名にご執筆いただきました。急速に変化する東アジア社会と家族の現状と展望を知る上でも、貴重な特集となったかと思います。

目次

特集:東アジアにおける家族の伝統と現代―世代関係と子育てに着目して

  • 特集紹介 ライフコースからみる韓国の家族・ジェンダーの変容―テグ調査コーホート分析を中心に(山根 真理/洪 上旭)
  • 夫婦における性別役割分業意識と実態―刈谷市に居住する夫婦ペア調査に基づいて(李 璟媛)
  • 中国農村部における分家と世代間関係―荊門農村を事例として(陳 玲)
  • "新"育児役割としての子どもの安全管理―兵庫県在住の母親を事例に(ボヤナ・ヤマモト= パヴラシェヴィッチ)

投稿論文

  • ヴィジュアルなものによるグローバルなリスクの共有―反原発アーティストの事例(大川内 晋)
  • 過剰流動化の進展によるアイデンティティ構成の困難に関する理論的考察(津田 翔太郎)
  • 自己呈示の手法としての「SNSの使い分け」―状況論的自己論の視点から(若狹 優)
  • 〈社会構想の社会学〉の可能性―見田宗介の所論を中心に(德宮 俊貴)

研究ノート

  • 中国にルーツを持つニューカマーの子どもたちの文化的アイデンティティ(張 偉霞)

翻訳

  • ニクラス・ルーマンの芸術理論とフリッツ・ハイダーの物理論の関わり―メディア美学論考(ペーター・マール/梅村 麦生 (翻訳))

大野道邦先生を偲ぶ

  • 追悼 : 大野道邦先生(油井 清光)
  • 大野道邦先生の経歴と業績
  • エミール・デュルケム没後百年―デュルケム社会学の生成に見るフランスとドイツ(山下 雅之)
  • 大野先生追悼文(三上 剛史)
  • 大野道邦先生の思い出(白鳥 義彦)
  • 大野道邦先生から引き継がなければならないもの(竹中 克久)

ソシエテ

  • 被災地にて(酒井 愛美)
  • 食堂の内田さん(天野 宗)

〈学位論文題目〉

〈研究室便り〉

〈編集後記〉

〈審査要項〉

『社会学雑誌』第35・36号

2019年7月31日刊行 

 A5判354頁 

 頒価2000円

 

内容紹介

 35・36号は「油井清光教授・藤井勝教授退職記念号」です。巻頭には,両先生の経歴・業績に加え,ご自身の執筆による研究生活や社会学研究室での思い出が掲載されております。様々な角度から神戸大学社会学研究室を長年にわたって支え続けた両先生のエピソードや業績の数々からいかに社会学研究室が多様性に富んだ場であったかが看取できます。続く諸論稿は,退職される両先生の研究テーマと重なりながら,社会学・人類学が対象とする諸領域を縦横無尽に扱っており,ポリフォニックな様相を呈しております。ソシエテでは退職される両先生との思い出が描かれ,冒頭の業績・経歴とは異なる両先生の研究史のもう一つの道が垣間見えるでしょう。

目次

  • 最終講義の内容に代えて(油井 清光)
  • 油井清光教授の経歴と業績
  • 社会学研究室と私の研究を振り返って(藤井 勝)
  • 藤井勝教授の経歴と業績

特別寄稿

  • 東欧三国の移民問題 : ポーランド、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(材木 和雄)
  • 両先輩と社会学研究室とタイ研究 : 振り返れば四〇年(高井 康弘)

論文

  • パーソンズによるデュルケーム読解 : 『社会的行為の構造』再訪(白鳥 義彦)
  • 組織における感情の社会学的分析 : 文化を通じた感情操作の危険性(竹中 克久)
  • 近代山村の社会学史的研究 : 社会結合と森林形成に関する論点と課題(福田 恵)
  • 大衆食堂経営主の「暖簾分け」と同業ネットワーク : 「力餅食堂」を事例として(奥井 亜紗子)
  • 道徳/倫理の人類学の一潮流を素描する : 物語論と徳倫理派人類学との系譜の重なりについて(酒井 朋子)
  • 「想像の共同体」論の再構成 : 【知識-制度-実践】による架橋の試みに注目して(藤岡 達磨)
  • 日清修好条規と領事裁判 : 逆訴、控訴、上告の仕組み(川口 ひとみ)
  • 地方社会からみる中国東南部の地域間人口移動 : 広東省潮州地域に着目して(連 興檳)
  • 日本マンガの受容と対日イメージの構築 :『サブカルプロジェクト調査 in アジア』の分析から(平井 太規/小島 奈名子)
  • 中国における「南南型」国際結婚の研究動向 : 外国人妻の「生活世界」を中心に(胡 源源)
  • 妊娠先行型結婚と子ども数 : JGSS-2009LCSの分析から(平井 太規)
  • 子どものいる中国人ニューカマーたちの日本における定住化とその規定要因(張 偉霞)
  • ファン研究における理論の紹介 : 文化産業と大衆社会への批判から、ファン文化におけるナルシシズムへの批判まで(Alvaro David Hernandez Hernandez)
  • 二一世紀におけるトッド的なT・パーソンズ再解釈についての一考察 : 人類学的基底の表現としてのパターン変数という文脈に基づいて(小川 晃生)

講演録

  • デュルケーム社会学と歴史学 : デュルケームは歴史社会学の先駆者ととらえられ得るか?(イヴ デロワ,北垣 徹訳)

ソシエテ

  • 一寸の光陰を軽んじた愚者の懺悔(坂本 直樹)
  • 油井先生御退職にあたり(禿 智子)
  • 油井先生のご退職にあたり(城本 美紗子)
  • ご退職に寄せて(小林 和美)
  • 藤井先生に感謝の心をこめて(堀 貴恵)
  • 一つの時代の区切り(白鳥 義彦)

〈学位論文題目〉

〈研究室便り〉

〈編集後記〉

〈審査要項〉

『社会学雑誌』第37号

2020年7月31日刊行 

 A5判275頁 

 頒価2000円

内容紹介

 本号は、二つの特集をはじめ、投稿論文、研究ノ―ト、資料紹介、社会調査演習報告を収録しています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を受け、編集日程に遅れが生じてしまいましたが、内容としては質・量ともに厚みのある一冊に仕上がりました。

 特集1「記憶風景を縫う―アルピジェラと手仕事の射程」は、2017年に仙台、京都、長崎の三都市にて開催した「記憶風景を縫う―チリのアルピジェラと災禍の表現」展のなかで、またそれにかかわって生まれた思考と対話の記録である。この展覧会は、南米チリに起源を有する手縫いの壁かけ・アルピジェラを紹介するとともに、戦争や政治暴力、自然災害といったさまざまな災禍を描いた世界各地の手仕事作品にフォーカスを当て、異なる歴史経験のあいだの対話の可能性を考えようとする企画であった。……これらの作品を注視し、同一の空間に置いてみてみることは、歴史や時間と人とのかかわりについて、および手を動かして行う創作の営みの普遍性について、改めて考えさせるものとなった。

 特集2「「時間の社会学」の現代的展開」は、2019年度第1回「社会の時間」研究会:「時間の社会学」の今日的課題(立命館大学・大阪梅田キャンパス、2019年8月29日)、第92回日本社会学会大会・テ―マセッション(4)「『時間の社会学』の現代的展開」(コーディネーター:高橋顕也、東京女子大学、2019年10月5日)での研究報告をもとに企画されたものである。……しかし「時間の社会学」とはどのような学問分野であるのか、あるいは「時間の社会学的な研究」がどのような意味で「時間」に「社会学的」に取り組んでいるのかについて、現在広く受け入れられた了解が存在するわけではない。その点は、本特集の各論文を一読しても見て取れるであろうし、また関連する先行研究を渉猟してみても、その状況に変わりはないと思われる。

目次

特集1:記憶風景を縫う―アルピジェラと手仕事の射程

  • 序 記憶風景、手仕事、アルピジェラ―ある展示企画のねらいと経験(酒井 朋子)
  • 「争われる空間」のアルピジェラ(ロベルタ・バチチ)
  • 「『争われる空間』のアルピジェラ」との応答―異なる歴史経験のあいだの対話に向けて(「記憶風景を縫う」実行委員会)
  • 生きてあることの証―福田須磨子とギンナン人形・壁掛け(友澤 悠季)

特集2:「時間の社会学」の現代的展開

  • 特集紹介―「時間の社会学」の現代的展開(「社会の時間」研究会)
  • ニクラス・ル―マンの時間論(梅村 麦生)
  • 社会学的システム理論におけるメディア・形式・時間・システム概念の数理的構造をめぐる試論(高橋 顕也)
  • 時間・空間・象徴―アルヴァックスの時間論をめぐって(金 瑛)
  • 見田社会学における未来とニヒリズム―時間意識の四類型論をこえて(德宮 俊貴)
  • 退歩の観念を葬ったのは誰か―P・ボウラ―とM・ホ―キンズの進化思想史再読(吉田 耕平)
  • テレビの時間、元号の時間(鈴木 洋仁)

投稿論文

  • 「社交性の社会学」序説―G・ジンメルとE・ゴフマンにおける社交性論の境界(田村 豪)

研究ノート

  • レストラン調査から見る都市部少数民族文化の生き延び方―シリンホット市のモンゴル風レストランを中心に(李 兆欣)

資料紹介

  • 日本・韓国・台湾の国際結婚に関する質問紙調査の基本集計(藤井 勝・平井 晶子)

2019年度社会調査演習報告

  • 老年期の華僑における世代継承性の認識(嶺岸 匠)
  • 華僑研究者の当事者性(成田 まお)

ソシエテ

  • 価値を眺めること(泉 瑛輔)
  • 徒然なるままに(桑木 理紗子)

〈学位論文題目〉

〈研究室便り〉

〈編集後記〉

〈審査要項〉

『社会学雑誌』第38号

2021年7月31日刊行 

 A5判313頁 

 頒価2000円

内容紹介

 本号は、二つの特集、翻訳特集、投稿論文、合評会報告、社会調査演習調査報告を収録しており、盛りだくさんの一冊となっています。「特集1 300年からみる日本の家族と人口」では、長期的な時代の変化についてダイナミックに論じています。「特集2 兵庫県豊岡市における『外国人住民に関する調査研究』の展開」では、2019年度に行われた調査研究の内容から日系フィリピン人と技能実習生について論文にまとめています。翻訳特集では、オーストリア社会学史に関する論文を収録しています。

目次

特集1:300年からみる日本の家族と人口

  • 特集紹介(平井 晶子)
  • 300年からみる家族人口論序説(平井 晶子)
  • 近世山陰一農村の人口と家族―石見国今浦の分析(廣嶋 清志)
  • 幕末江戸町方地域の人口動態(高橋 眞一)
  • 空間的観点からみた人口転換の地域パターン― 1950年の出生力・死亡力の市区町村別分析(小池 司朗)
  • 市区町村別親子同居率の地域的差異― 国勢調査オーダーメイド集計結果を用いて(丸山 洋平)

特集2:兵庫県豊岡市における「外国人住民に関する調査研究」の展開

  • 特集紹介(平井 晶子)
  • 日本への定着に向けた日系フィリピン人の選択― 国内移動の一地点としての兵庫県豊岡市(齊藤 優)
  • 大卒技能実習生の特徴とベトナムにおけるその背景―兵庫県豊岡市における外国人住民調査より(德宮 俊貴)

翻訳特集:オーストリア社会学史

  • 特集紹介(梅村 麦生)
  • オーストリアにおける知識人亡命者― オーストリア社会科学者たちの亡命(クリスティアン・フレック(訳 梅村 麦生))
  • オーストリアにおける社会学のはじまり(ゲーラルト・モゼティッチ(訳 田村 豪))

投稿論文

  • 「心理学化する社会」における支配的な自己物語ー排除される自己物語の構成過程について(津田 翔太郎)
  • 観光文化の文脈から捉える内モンゴル都市部におけるゲルの利用実態(李 兆欣)
  • 広域合併下における農協と農村コミュニティ― 新「ながの農協」を事例として(中島 隆博)

合評会報告:デュルケーム/デュルケーム学派研究会著『社会学の基本-デュルケームの論点』(二〇二一年、学文社)を読む

  • 報告紹介(白鳥 義彦)
  • 書評一(油井 清光)
  • 書評二(流王 貴義)

二〇二〇年度 社会調査演習調査報告

  • コロナ禍における災害の語りの変化― 東日本大震災の語り手の事例からオンラインの可能性に迫る(吉田 涼一)
  • コロナ禍における公立中学校と教師の現状について(松浦 信)

ソシエテ

  • 家族の研究をすることと、家族をすること(ボヤナ・ヤマモト= パヴラシェヴィッチ)
  • 違っていること(望月 健司)
  • さらなる幸せを求め続けることの幸せ(油利(中川)天海)

〈学位論文題目〉

〈研究室便り〉

〈編集後記〉

〈審査要項〉

『社会学雑誌』第39号

2022年11月30日刊行

 A5判320頁 

 頒価2000円

内容紹介

 本号は、一つの特集、投稿論文、研究ノート、社会調査演習報告を収録しており、盛りだくさんの一冊となっています。「特集:福祉国家・教育・統治――一九世紀フランス社会学研究」では、フランスの国家行政が社会的保護の名目で絶えず人々の暮らしに関与するようになる、福祉国家の構築とその破綻の危機において、諸個人の内面に介入するテクノロジーの特性などに関して論じています。

目次

特集:福祉国家・教育・統治――一九世紀フランス社会学研究

  • 特集紹介(白鳥 義彦)
  • 社会的ユートピアとしての直系家族―フレデリック・ル・プレと一九世紀 ―(北垣 徹)
  •  一九世紀フランス社会学が照らす現代のエコロジー問題―心身並行動を手がかりに―(村澤 真保呂)
  • 身体の牢獄―ふたたび規律権力について(前川 真行)
  • 正常と異常の中間領域―一九世紀ドイツ・フランス・ベルギーにおける精神病質概念と人格概念―(渡辺 拓也)
  • 信仰と法―フランス王政復古期における冒涜と刑罰化―(稲永 祐介)
  • エミール・ブトミーとシアンス・ポー(白鳥 義彦)

投稿論文

  • 社会システムによる構成としての人格―後期ルーマンの人格概念―(嶺岸 匠)
  • 結婚相談所を介した配偶者選択における「見合い/恋愛」の概念分析―インターネット上の成婚談を利用して―(成田 まお)
  • 組織におけるアーティファクトと組織美学の可能性―事物がシンボルとなるプロセスに着目して―(竹中 克久)
  • フェイスワークとしての「炎上」―「面目」と「偽造」の関係性に注目して―(若狭 優)
  • 断絶を通じて思考する過疎地域ランドスケープ―時間・空間の非連続性に関する考察に向けて―(オスカー・レン)

研究ノート

  • 没後一○○年ドイツ語圏におけるジンメル研究―『ジンメル・ハンドブック』(二〇一八)の紹介―(田村 豪)

二〇二一年度・二〇二二年度社会調査演習報告

  • 二〇二一年度・二〇二二年度「社会調査演習報告」から(佐々木 祐)
  • 災禍の学校における諸現象の社会学的考察―<包摂>と<排除>を手がかりに―(野中 康生)
  • 一九二○年における流行性感冒とコレラの報道について―『神戸又新日報』による比較―(沖本 暁子)
  • 情報伝達メディアの性質―感染症にまつわる情報伝達の比較から―(崎山 航志)
  • 電車の社会学―有川ひろ『阪急電車』―(渥美 光太郎)
  • 神戸と社会と日本人―妹尾河童『少年H』―(丸尾 珠生)
  • "ISOLA "を通してみる震災と「風俗」―貴志祐介『十三番目の人格ISOLA』―(中村 亮善)
  • ある絵本編集者の日々(岡崎 俊基)
  • これまでを振り返って(上村 勇輔)

〈学位論文題目〉

〈研究室便り〉

〈編集後記〉

〈審査要項〉

『社会学雑誌』第40号

2023年12月25日刊行

A5判295頁

頒価2000円

内容紹介

 本号は、二つの特集、投稿論文、研究ノートを収録しており、盛りだくさんの一冊となっています。「特集1:社会学的説明か「社会学的言い訳」か―個人と社会をめぐる現代の議論から」は、関西「言い訳」研究会が企画し、社会学に対する今日の批判や、そうした批判と政治思想・宗教思想との関わりについての論文七篇を収録しました。「特集2:国際シンポジウム報告―ジルダ・サルモン氏を迎えて」は、2023年2月~3月に科研費基盤研究(B)「『集合意識』から『情動の社会学』へ―デュルケーム社会学の現代的展開」の主催でフランスの哲学者・社会科学史研究者のジルダ・サルモン氏を招いておこなわれた、日仏社会学国際シンポジウムおよびラウンドテーブルより、サルモン氏と日本側の登壇者から笠木丈氏、川本彩花氏の寄稿を紹介するものです。

目次

特集1 社会学的説明か「社会学的言い訳」か―個人と社会をめぐる現代の議論から

  • 特集紹介(関西「言い訳」研究会編)
  • 「社会学的言い訳」批判とはいかなる批判か―社会学的帰属の観点から―(梅村 麦生)
  • クリスチャン・スミスの社会学論―人格主義的社会理論のプロジェクト―(池田 直樹)
  • 現代ドイツにおける「個人的な」宗教をめぐる社会学説史的転回―「個人化」と「私化」をめぐる議論を手がかりに―(畠中 茉莉子)
  • 戦後知識人と「悔恨共同体」―財団法人『二十世紀研究所』と清水幾太郎、丸山眞男、福田、林健太郎―(松野 靖子)
  • 「指摘」と「悪口」の境界―「お前はフェイクニュースだ」の成員カテゴリー化分析―(若狭 優)
  • 「社交性」の振幅と「影の形象」の基層性―一九二〇年代のドイツ語圏社会学界におけるジンメル社交性論の変容―(田村 豪)
  • 分業と連帯を可能にするもの―デュルケムにおける「正義」の位置―(野々村 元希)

特集2 国際シンポジウム報告―ジルダ・サルモン氏を迎えて

  • 特集紹介(「情動の社会学」科研研究会編)
  • 神話の構造分析の誕生:デュルケーム、グラネ、レヴィ=ストロース(ジルダ・サルモン(訳 白鳥 義彦))
  • イギリス植民地帝国における社会科学の誕生(ジルダ・サルモン(訳 白鳥 義彦))
  • ベルクソンにおける有機体としての社会―デュルケム社会学の受容をめぐって―(笠木 丈)
  • 趣味・嗜好、文化をめぐる今日的状況―文化的オムニボア研究を手がかりに―(川本 彩花)

投稿論文

  • 「モンゴル文化」はどのように発信されるのか―WeChat購読アカウントのコンテンツ分析を中心に―(李 兆欣)

研究ノート

  • 集合的記憶論の災害領域への応用可能性―金瑛によるアルヴァックス理論の新解釈に注目して―(吉田 涼一)
  • キャリア教育におけるストーリーテリングと主体性(野中 康生)

《二〇二二年度 社会学専修卒業論文より》

  • 大人の発達障害当事者を「支える」こと―就労移行支援事業所と自助会での聞き取り調査から―(平岡 優実)

ソシエテ

  • 根を持つことと翼をもつこと(松本 裕樹)
  • 社会人にとっての「社会学」とは(繫内 優志)

〈学位論文題目〉

〈研究室便り〉

〈編集後記〉

〈審査要項〉