ドイツ留学中の田村くんからレポートが届きました

現在、ドイツに留学している学部4回生の田村くんからハンブルクの演劇事情に関するレポートが届きましたので、ここに掲載いたします。以下が本文となります。


ハンブルク大学での留学が始まってから半年が経ちました。ハンブルクにはたくさん桜が咲いており日本を思い出します。最近は暖かい日も多く、街の中心にあるアルスター湖周辺の公演では、多くの人が日光浴をしております。サマータイムが始まったこともあり、夜の9時頃まで明るいので不思議な感覚です。

さて今回はハンブルクの演劇事情を少し書きたいと思います。ハンブルクに限らずドイツの街にはどこに行っても劇場があります。私が留学を始めた2016年10月から12月末まで、「フライカルテ(Freikarte)」というカードがありました。その名の通り無料で演劇やオペラが観劇し放題です。博物館にも入れたりします。日本にいたときには、そこまで演劇に興味があったわけではなかったのですが、この無料で観られるという気軽さと語学の勉強になるのではないかということでたくさんの劇を観に行きました。中には日本語訳されている演目があり、ドイツ語で上演されていてもどうにか筋は理解できたり、演出から劇を解釈してみたりしました。プロの役者さんの生のドイツ語を聞ける機会がたくさんあったのは良かったと思います。

ハンブルクにある大きな劇場の一つにDeutsches Schauspielhaus Hamburgがあります。

ここで日本人女性の方が劇団員として出演しています。よく声をかけていただき、その人の出演している劇を観に行きます。その際には公演の後に食事をしたりするのですが、そこで興味深い話を聞きました。ドイツの劇場はお客さんのチケット代をベースに運営しているのではなく公的な補助金で運営しているとのことでした。

ただ近年はその額が減っているとのことでした。日本において文系が軽視されるのと同じような現象がドイツでも起きていることを実感しました。明確な成果を出せないようなものにはお金は出せないということなのかもしれません。

日本だけの問題ではないようです。

Deutsches Schauspielhaus Hamburg


だからといって演劇を観る人が少ないという訳でもなさそうです。席はほとんどいっぱいになっていることが多いです。

観ている人はパッと見た印象だと、高齢のかたが多いのかなと思います。上演が終われば感想を言い合っている人もいて社交の場なのだと実感できます。

Thalia Theater

もちろんフライカルテがなくても学生なら、かなり安い値段で観劇することができます。

劇の内容もギリシャ古典から気軽に観られるものまでたくさんあります。

観光だけだと観劇は語学的にも難しいものがありますが、こうして留学としてある程度の期間こちらにいると、語学の鍛錬とともに、こちらの人の普段接している文化に触れることができます。

 

例えば、上に書いた日本人の女優さんが、演出の中で日本語を使うことがあります。

その時の観客の反応は面白いと思います。もちろん意味は分かっていないと思うのですが、それで観客が笑ったり、全体の雰囲気が変わったりします。(逆にその場面だと、私には台詞がよくわかるのですが…)


ということで今回の報告とさせていただきます。

あと半年もありませんが、できるだけ生活に根付いた文化に触れられればと思います。